momo

融資先情報:OneLife(2017年2月)

新年は明けたが春はまだ遠く。寒さが厳しい1月の終わり。名東区牧の里にある児童放課後デイサービスを営む一般社団法人OneLife(以下OneLife)の事業所を訪れた。
 
 
事業所は同じ作りの倉庫が2棟並んでいるうちの真ん中。玄関の扉にはシルバニアファミリーを連想させる三角屋根が付いているからかおもちゃの家のようなわくわくとした印象を受ける。元は美容院だったという建物の中はとても天井が高く想像していたよりも解放的な空間だった。まるで体育館みたい。ドアを開け、こんばんはーと放った言葉がわずかに反響した。取材時間が夜だったため、児童はすでに帰宅した後で、外が暗いため空間は全体的に青みがかり、真っ白な壁もひんやりと冷たく静かな雰囲気だ。しかし上を見上げるとネットで天井まで掬われた色とりどりの大きなバランスボールがいくつかもあり、この場所でスポーツを楽しむ子ども達の歓声と熱気を簡単に想像させた。
 
 
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現在、こちらのデイサービスを利用している子どもは60名ほど。中には障がい者手帳を所持有していない児童も施設を利用している。豊田市や岡崎市から通う児童にはブラジル人児童の割合も高い。ブラジル人児童は実生活でにおいて学校では日本語を、家庭ではポルトガル語を使い分けることになる場合が多く、どちらの言語も十分に習得出来ていない可能性がある。2つの言語を行ったり来たりせねばならないという複雑な生活環境から両方の言語に馴染めず、それが原因でコミュニケーション不足を招いているのではないかと代表の鈴木さん(以下、鈴木さん)は指摘する。そんな子ども達の為にOnelifeは、ブラジル人のスタッフを派遣し、2月には岡崎への新事業所を開設する予定だ。面白い試みだと思う。
 
 
スタッフは鈴木さんを含め常勤で9名、非常勤は4名。3年に一度行われる市役所による実地検査もパスし、新事業所オープンも控え、順風満帆に見えるOnelifeの事業だが昨年は激動の1年だったと代表の鈴木さんは語る。
 
 
もともと2拠点あった事業所は経営判断により10月から1拠点に集約。子どもも一か所に集中するため、スタッフを増やす事で人件費は膨らんだが、その分土日、祝日も休みなく営業することにより売上アップにつながった。また、12月の中頃から10日間、3年に一度の市役所による張り付きの実地指導の対応にも追われたこともあり、鈴木さんは10月から1月にかけてかなり多忙な日々を送っていた。
 
 
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デイサービスの内容はというと、日々、想像と工夫の連続だという。その日のスケジュールは曜日によって異なり、サッカー、プールに始まり、ヒップホップダンス、ボールボクササイズ、ピラティスと多岐に渡る。聞いているだけで大忙しだ。そんな多忙な業務の中でもサービスを受ける児童一人ひとりの成長や成果が職員の日々のマインドを支えている。サッカーをする際にキーパーを眺めるだけだった児童が、事業所に通い、体を動かすうち試合に参加しキーパーとして参加ようになり、最近ではゴールを決めたというエピソードなどはその良い例な気がする。名古屋市での障がい者水泳大会では、なかなか泳ぎが上手くならなかった児童が大会2ヶ月前からの猛練習によってクロールをマスターし、ついに大会に出場したというエピソードもある。親御さんにも子ども達自身にも成果を喜んでもらえたことが何よりです。と鈴木さんは笑う。
 
 
今年、1月20日にOneLifeは3歳の誕生日を迎えた。直近の目標については3ヶ月後、2事業所ともうまく運営できていること。スタッフが楽しそうに働いていること。そして今年の目標は、スタッフが笑顔で働き続けてくれることだという。鈴木さん個人としては、これから事業を起こそうと考えている人に対して、自身が得た経験を元にコンサルティングを通じて協力していけたらと考えている。前回の取材から考えると鈴木さんの視野がより先の未来まで広がっていたと感じられた。素晴らしいと思う。
 
 
土日祝日には平行事業であるサッカークラブのコーチも行なっており、1週間通して働き詰めの鈴木さん。「休みは?」と聞くと、「ほぼないです。」と笑いながら返されてしまった。そんな多忙な生活の中でも鈴木さんは、「それでもこの仕事が好きだから続けてくことができます。」と語る。よく笑う彼の瞳は、まだ出会っていないけれどこれから出会うであろう多くの子ども達の希望そのものだと思った。(まなみん)
 
 
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