身体と土の、
地域に暮らす人どうしの、
作る人と買う人の、
つながり。
お金によって切れたつながりを、
お金を通してもういちど、
つなぐ。
1.
今朝、玄関に届いた段ボール箱。
中にはつやつやと太陽の匂いがするナスやゴーヤたち。
春に植えた小さな苗から、見事に実ってくれたものだ。
もちろん、素人の私たちにできたことといえば、
放置された畑にはびこったクズの蔓を掘り返す、
不器用にくわで土を盛ってうねをつくる、
そして準備されたかわいい苗を植える、など
お膳立てされた作業だけ。でも、私は
その里で営々と、何百年間毎年繰り返されてきた営みに
ほんの少し貢献できたことに、ちょっとした誇りを感じる。
私の住むこのまちにも流れる川を遡った、山あいの集落。
そこに、私たちが借りている畑はある。
そして、畑を守ってくれるおばあちゃんがいる。
2.
おばあちゃんの孫はまちから帰ってきて、里でおばあちゃんと一緒に暮らしている。
数年かけてやっと、里で一人前と認められた彼は、日々の野良仕事や地域の仕事の他に、田舎の暮らしを守るための事業を始めた。
そのひとつが、お年寄りだらけの里で増え続ける耕作放棄地を、都市の人に貸し、野良仕事を通して交流するという試み。
ふる里のためのちょっとした工夫。小さな挑戦。
お客さんとして参加したつもりが、
いつのまにか私まで、里の未来に想いを馳せるようになっていた。
3.
彼の事業には、
私のお金が使われている。
NPOバンクを通して。
二年前、娘が生まれたとき、すごく幸せで、でもその分恐くもなった。
この子の生きる未来はどうなってしまうんだろう?
未来に絶望するためのニュースは、まちに溢れている。
私たちは、この子の未来に希望があることを願う。そしてその願いを出資というかたちで具体化させたいと思った。
子どもの未来への出資は、私たちに新しいつながりをくれた。
おばあちゃんが送ってくれたこの野菜が、私と里とを、私と土とを、
つなげてくれている。
ストーリー






