momo

連載:社会をよくする話(第22回)

「子どもと母親と女性とのあいだで」

 
 今回は子連れレンジャーもえもえが担当します。子連れということで、今まさに社会で話題となっている待機児童と子育てママの働き方について書きたいと思います。
 
 2016年9月9日、東京都知事は待機児童の解消に126憶円の財政追加を発表しました。5,000人の待機児童解消につながるとのことです。現在東京都の待機児童は7,814人で日本一。ちなみに愛知は202人。東海全体だと775人です。
 
 待機児童は人数の問題ではなく、そもそもあってはならない話だと思っています。昨今はおじいちゃんおばあちゃんでも働く世帯が多く、三世代同居であっても「家族に預かってもらう」という選択肢は意外に期待できません。
 
 さらに、保育園は両親が毎日フルタイムで働いている家庭が優先されるなど、利用に際していろいろな制限や規則があります。会社に入るには子どもを預けてないと採用されないし、かといって子どもを預けるには仕事してないと料金が払えない、という認可保育園の査定基準の問題もあります。(じゃあ認定外や民間託児に預ければと思いますが、フルタイムパートではほとんど託児代に消えるのでそれならそばにいたほうがいいなと個人的には思っています)
 
 子どもの迎えや急病時の迎えなどを考えると、正社員職は動きづらい、職種が絞られる。けれど、これからのキャリアのことを考えると正社員で就職したい。女性が働く社会には、子育ての壁があります。
 
 ここで思ったのが、「職場に子どもを連れて行くのはちょっと・・・」という考えを変えてみようということです。少しずつ増えてはいるものの、業種によっては難しく浸透していない新しい女性の働き方です。
 
 大事な幼少期に長時間離れることで発生するコミュニケーション不足は、子どもの成長にも大きく影響するそうです。保育園を増やすという従来の方法では、保育士確保の問題もあることから、私としては「それだけでいいのだろうか」と疑問が残ります。
 
 社会とのつながりを得たい、会話をしたい、じっとしていられないなどさまざまな理由はありますが、共働きが当たり前になっている昨今、働きたい人は多いのです。わがままをいうと、子どもの近くにはいたいけど働きたい! ということです。
 
 以前、こんな事業所に出会いました。子どもとママと高齢者がいるデイサービスです。なぜ子どもがいるのかというと、子育てママが子どもを連れて出勤しているのです。子育てママの働き口、核家族化の増加や高齢者の増加、それにインターネット普及によるリアルコミュニケーションの低下。これらの問題がすべて解決できるのではないかと思います。個人が集まって家族を形成するという感覚でしょうか。子どもがいることで、高齢者の心身状態の向上も期待できるそうです。異なる年齢のひとびとを混ぜてしまうことで生まれる相乗効果みたいなものが、分野によってはあるのではないかと感じました。
 
 在宅ワークや、事業所を置かない会社、先に書いた子どもと一緒に働くという選択肢も増えると、外とつながることができます。多様な世界に相応しい働き方がこれから増えていくことは、子育てママの新たな可能性を広げてくれることにつながりそうだ、と思っています。(もえもえ)