momo

2021.02.27

炭やきという文化を残すための挑戦

こんにちは、momoレンジャーTKGです。

 

昨年12月に、momo65件目の融資先「タチキカラ 北三河」代表の杉野さんの元に、momoの理事や出資者の方と訪問をさせていただきました。

 


▲タチキカラの事務所

 

今日は、杉野さんが着目している「熱化学還元処理」と「炭やき」について、また、杉野さんの今後の展望をみなさんに紹介したいと思います!

 

タチキカラに到着するやいなや早速始まったのは「熱化学還元処理」についてのお話。何やら聞き慣れない言葉ですが、木材のねじれや曲がり、割れなどを軽減させて木を乾燥することができる、先進的な技術なのです。

 

前回の取材で、木材のねじれや曲がりが起こりにくい時期を選んで木を伐採している、とお話していた杉野さんですが、なぜ「熱化学還元処理」に注目しているのでしょうか?そのポイントは「働き方」と「木の市場価値」にあります。

 

「今、僕がスギやヒノキを伐るのは、木が割れにくく、品質の高い”伐り旬”といわれる秋の彼岸から春の彼岸までの半年にしています。しかし、熱化学還元処理で乾燥することができれば、伐り旬ではない時期にも、木を伐ることができ、市場価値の高い木を出すことができます。これによって働き方が変われば、僕の次の世代で、この仕事を引き継ぐ人も面白くなると思うんです。」

 

木の変形や割れは、それ自体がロスになり、市場価値の低下にもつながります。そして、それを防ぐ形で木を伐採しようとすると、働く時期に制限が出てきます。 つまり、それを解決することで杉野さんだけでなく、その次の世代で働く人にとっても持続的な事業になる、というわけなのです!

 

私自身も全然知らなかったお話ですが、聞けば聞くほど、ワクワクする話…!

 

 

さらに、これまで「木こりとしての杉野さん」をmomo通信では主に紹介してきましたが、杉野さんは炭やき職人でもあります。40代まで横浜でSEとして働いていたものの、炭やき職人に憧れて炭やきの世界に飛び込んだのだそうです。

 

杉野さん曰く、炭やきは技術というよりは文化。

 

「伝統的な文化を絶やさずに残していきたい」と語る杉野さんですが、現在は、自分の炭窯を持っていないのだそう。

 

そこで現在、炭窯作りの準備を進めています。

 

「自分だけでもできないわけではないけれど、それでは広がりもないし、つまらないんです。色んな人に、見てもらったり、関わってもらったりしながらやれたらと思います。」

 

momoとしても、杉野さんの挑戦を応援したい!伝統的文化としての炭やきを残していきたい!と考えています。

 

杉野さんと一緒に、この企画を形にできたら…と思って、準備をしていますので、続報をお待ちください!

2020.12.13

木こりさんに会いにータチキカラ訪問

momo65件目の融資先「タチキカラ 北三河」代表の杉野さんはサラリーマンから転向し炭やき職人、木こり、木挽き職人、自治区の定住委員、自然ガイドと幅広く活動されている方です。

 

 

建設会社跡地を居抜きで購入し、ご縁で使わせていただいていた製材機を購入し、移転しました。その購入、移転費用の一部をmomoで融資させて頂きました。

今回のmomo通信では「杉野さんってどんな人?」を、豊田市の現場に訪問してインタビューしてきた、momoレンジャーひとみんがお届けします!

 

杉野さんは、豊田市の山の中にある製材所で、森林組合と材木屋で購入した木やご自身で伐採した木を製材されています。

脱サラしてから17年、豊田市旭地区に移住して11年目となる杉野さん。 山のあり方、里に住む人のあり方や生き方に信念を持って関わっていらっしゃいます。

杉野さんが日々どんな事を思い、自然や人・ご自身と向き合っているのか、どんな仕事をされているのかは、杉野さん のフェイスブックやホームページで垣間見ることができます。

 

そんな杉野さんは、木工製品を作る際に、山にある元々の立ち木から、木工製品を購入したい方に、山で育てている木をいくつか紹介し気に入った木を選んでもらい「今日からあなたの木ですよ。」と、伐採し製材して商品にする、という全ての工程がわかるような取り組みをしています。製品となる前の「立ち木」の状態から始まる…だから「タチキカラ」なのです。

自分と暮らす家具や家の材料が、どこで生きてきて誰がそれを収穫し、誰が加工したかが分かり、オーナーまたは購入者の安心安全につながる。それはシンプルな方法に見えるかもしれないけれど難しい仕事でもあります。

 

「小さな規模でなるべく多くの工程に深く関わり、木を生き物として扱う」ことがタチキカラのポリシーです。

 

 

木を生き物として扱うため、木を伐採する時期も大切にされています。 スギやヒノキを伐るのは伐り旬といわれる秋の彼岸から春の彼岸までの半年。その半年間に6〜7回訪れる「新月期」と呼ばれる期間に伐ります。

 

「新月期」とは、下弦から新月までの一週間です。 杉野さんは旧暦をいつも意識されているそうです。

旧暦とは、まさしく月の巡りそのもの。旧暦と24節気を身体で意識することで、少しでも山に近づきたいと思い暮らしている、というお話からも山と向き合って山と共に暮らしてみえるご様子が伝わってくるように思いました。

 

なぜ新月期かというと、月の満ち欠けは海面を上昇・下降させるため、生き物に多大な影響を与えま す。木のバイオリズムにも影響を与えます。 満月の頃はバイオリズムが上昇のピークで、植物のデンプンが増える為、虫が寄りやすくなります。

一方、新月期はデンプンが下降のピークで虫が寄りにくく、生き物として大人しくしている時期なので木材にした時も暴れにくいのです。新月期に伐った木は燃えにくいという話もあります。木を伐るのに月の満ち欠けが関係してくるなんてロマンチックであり、科学的な根拠もあるということで驚きました。

 

また、タチキカラでは「目切れ無し製材」も大切にされています。「目切れ無し製材」とは年輪を切らない強度を考慮された切り方です。

杉野さんのお話はどれも驚きや学びが多かったのですが、中でも印象的だったのが、間伐材のお話でした。

杉野さん曰く「間伐材という木材はなく、それは人がつけた名前。 間伐は悪い木を見つけるのでなく、“より良い木を残す、残したい木を見つけ育てていくために支障のある木を切ること”」なのだそう。

間伐材という言葉一つからも、杉野さんの山や自然に対するこだわりが伝わってきました。

 

こぼれ話ですが、うかがった際にスギの赤身を短く刻んで煮出した飲み物を出して頂きました。 木の香りと味わいがとても素敵でした! 味や香りが上手く伝えられないのが残念ですが、今後商品化 もあるかもしれないとのことなので、ご興味のある方はその際はぜひ!

 

杉野さんが日々どんな事を思い、自然や人・ご自身と向き合っているのか、どんな仕事をされている のかは、杉野さんのフェイスブックやホームページで垣間見ることができます。

木の話だったり、哲学的な話だったり…と読んでいて楽しくもあり、感慨深くもあります。 次のお仕事の話やこれからしたい事など、たくさんお話していただきました。

忙しい中、私達の訪問を受けお話いただきありがとうございました。