momo

2018.05.31

【お披露目イベントレポ】あなたの知らない漁師と猟師の話

momoの61番目の融資先「結の舟」のお披露目会を2月25日に開催しました。

 

 

「あなたの知らない漁師と猟師の話」と題して、結の舟代表の平工顕太郎(ひらく・けんたろう)さん、そして郡上で猪鹿庁代表の興膳健太(こうぜん・けんた)さんを迎え、トークセッションを行いました。

 

「漁/猟師ってどんな仕事?」「漁/猟業界ってどんな業界?」「これからの夢は?」など、普段暮らしている中では決して知ることのできない「漁師と猟師の話」をお届けします!

 

ー職業「川漁師」ー 平工顕太郎さん

 

▲結の舟 代表の平工さん

 

“若い人でも66歳”という川猟師の世界は、簡単なものではありません。

「お父さんが漁師で、船も技術も人脈も網もある」という人でも生活が成り立たないほど、その実態は厳しいものだと言われています。

 

そんな中で、親が漁師というわけでもなく、自分より年下は誰もいないという状態で川漁師になった平工さん。

川漁師として生きていく上では「覚悟と勇気が必要」と話します。

 

「川漁師になるハードルの1つが、漁に使う船。漁師にとっては、よりもランクが高いとされる高価なコウヤマキの船を使うことがプライドと言われています。

 

裏を返せば、それだけ高価な船を自分で持つということは、その場所で川漁師として生きる覚悟がある人しかできないことなんですよね。」

 

 

「それから、漁師の仕事が始まるのは16時なので、他の仕事と兼業することは基本的にできません。

 

長良川漁協という岐阜市近郊では750人くらい魚取りをしている人がいますが、そのうち専業として行なっている人は、たったの5人。その中の最年少が66歳です。」

 

かつては専業のなりわいだった川漁師は、今ではもう年金をもらっていて、子育ても終わっている世代が行う仕事へと変わっています。

 

また、アユ漁に必要な船も、作る人がいなくなってきているのだそう。

 

 

「船を処分するお金もない人が多いので、河原に干上がっている船が多いんです。

 

 僕は新規の参入者なので船を持っていない上に、新しい船を作るお金も職人もいないので手直ししていますが、穴だらけの舟が多いですね。」

 

今は船を使ってツーリズムもやっているという平工さん。

 

「伝統用具は、岐阜県民文化財として保管されていますが、個人の所有物であれば、触れることができます。本物の道具に触れてもらうことで、ちゃんとしたものを知ってほしいなと思います。

 

昼間の船のツアーは僕以外にやっている人がいないので『顔の知っている人から買おう』と僕から鮎を買ってくれる人もいます。

 

こういうニーズに応えようと6次産業も展開してきたいと思いますし、momoから融資を受けて店舗を持ったのもこの流れの1つです。」

 

猟師として生き、猟師として山を守る。興膳健太さん

 

そしてもう一人のゲストは、猪や鹿を獲る山の猟師、郡上の興膳健太さん。

 

 

興膳さんは「猟師として生き、猟師として山を守る」をミッションに掲げて里山の生態系保全や猟師の6次産業化に取り組む猪鹿庁の代表を務めています。

 

興膳さんは山の猟師として生計を立てているわけではなく、行政から獣害対策の依頼を受けたり、集落の人の支援をしたり、イベントを企画したり、など色々なことをなりわいにしています。

 

猪鹿庁の「猟師として生き、猟師として山を守る」というミッションの「山を守る」について、興膳さんはこう話します。

 

「猟師って食えるの?って言われるけど、猟師で食ってる人はほぼいない。豚牛とかの方が安定していてうまい、というイメージが強いんですね。

 だからこそ猟師にとって、美味しい猪が育つような美味しい餌がなる山はとても大切なんです。」

 

また、山だけでなく漁協とも良好な関係を築いているという興膳さん。

 

「答志島(三重県伊勢湾)に台風が来たとき、木曽三川の流木やゴミが全部流れちゃったんです。それを見たときに、絶対に(山を守るべき)僕らのせいだな、なんとかしなきゃと思って。奈佐の浜に行って、ゴミ拾いをしたりネットワークを作って活動したりしています。」

 

また、猪鹿庁では「日本猪祭り」というイベントを昨年から開催し、全国の猪を食べ比べる利き猪グランプリを実施しています。

 

このお披露目会の日は、まだ2018年の日本猪祭りの開催前だったのですが、興膳さんは早くも2019年の猪祭りに言及!

 

 

来年は、なんと猪年なんですよ。これは大きな花火を上げなくてはならない!!!ということで、全国の猪を丸ごと1頭ずつ集めて、初競りをやろうかなと。

 

 

大間のマグロの初競りを越えて、猪が100万で売れたっていうニュースを作りたいですね。」

 

 

「猟師の世界も高齢化が進んでいて、僕の師匠は67歳だけど若い方。支部長が亡くなるなど、いよいよどんどん担い手が減ってきている感じがします。

 

最近は漫画で山賊ダイアリーとか罠ガールとか、どうも狩猟ブームが来ているみたいで(笑)自給自足とか家庭菜園の延長で、自分のものは自分で作りたいっていう動きがありますね。」

 

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お二人の事業のお話をたっぷりと聞いたところで、質問タイムへと突入!

 

 

参加者の皆さん、思い思いの質問を紙に書いていきます。

 

 

 全部momo通信でお伝えしたいところですが、長くなってしまうのでここでは締めの質問をピックアップ。「お二人の将来のビジョンや夢を教えてください!!!」

 

興膳さん:今を生きる!ということです。1つは、僕は生産者という立場にずっと憧れていて、今生産者になれているって思います。

作る人だけのネットワークで世の中が回らないのか?ネットの社会で生産者同士で繋がって、物々交換のように、お金に縛られないコミュニティができたらなあ〜と思います。

 

平工さん:多くの人に漁師に触れてほしいと思っています。昔の写真には船が所狭しと並んでいた風景が残っていて、その風景を見たい、戻したいと言う気持ちがあります。

 

漁業者が増えるのは、お金の取り合いになっちゃうという葛藤もありますが、賑わってほしいと思いますね。

 

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<momoレンジャー編集後記>

 

「漁師と猟師の世界、名前は似ているし、確かにどちらも一次産業だけど、一体どうなるんだろう…?」と実はイベント前にちょっとドキドキしていた私。

ですが蓋を開けてみれば、高齢化の進んだ産業の中で新たなチャレンジを仕掛けていく二人の話は、それぞれの違いや共通点があってとっても面白かったです!

 

今年の夏は、鵜飼とcafe ゆいのふねに行きたいな〜!

(momoレンジャー・TKG)

 

 

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結の舟の情報は こちら からご覧ください。

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2018.02.28

融資先情報:鮎漁師が「シェアプロ」に挑戦!

momoの融資先である結の舟さんが、momoが過去につなぎ融資をしたりさまざまな事業を一緒に行ったりした、NPO法人G-netの事業「シェアプロ」に挑戦しました。

 

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▲65歳以下の唯一の川漁師、結の舟の平工さん。

 

「シェアプロ」は個人が専門的な知識やスキルを活かすプロボノとして、中小企業のプロジェクトに参画するプログラム。

 

結の舟さんは【65歳以下の唯一の川漁師、平工顕太郎と共に清流長良川の資源・文化を守り抜く仕組みを立ち上げ】事業に取り組みました。

長良川の漁舟でめぐる清流プライベートツアーや天然鮎の販売など、魅力的な事業はたくさんあるけれど、完全には軌道に乗れていない結の舟さんには必須の内容です。

 

今回は、持て余しているカフェを活用するために、試験的に様々なワークショップを1日でやるイベントを行いました。

イベントにはmomoレンジャーのまなみんも参加。イベント内容は、鮎の串打ち・塩焼き体験や、地元の水族館であるアクア・トトぎふのスタッフさんによるお魚講座、パン屋さんやお菓子屋さんによる体験講座などなど、ネットワークを活かした多岐にわたるものとなりました。

イベントをきっかけに、地域での知名度が上昇したり新しい繋がりが増えたりし、新たな事業の展望が見えました。シェアプロで外部の人がたくさん関わったことで、新しい視点が増えたのではないかと思います。

 

けれども、まだまだ若手鮎漁師が生計を立てるのはたいへん。事業が増えて忙しいだけにならないように、momoとしても継続的に支援していきたいですね。

 

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融資先情報:結の舟(2017年11月)〜企画づくり進行中!

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結の舟のお披露目イベントを、momoレンジャーが鋭意企画中です。9月以降、平工さんへの訪問1回、レンジャー同士での打合せ4回を経て(いつもより難航していました)、ようやく企画案が固まってきました。9月の訪問は、完成したての店舗に突撃して、平工さんの事業の全体像をお聞きしてきました(出資者も1名ご参加!)。融資先のお役に立てることを探しつつ、「出資者と融資先をつなげる」ためにがんばっています!

 
(momoレンジャー たつや)

 

2017.08.31

特集:長良川の伝統漁法を終わらせたくない! 新融資先は長良川の川漁師が紡ぐ「結の舟」!

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新しい舟の進水式

 
momoが61件目の融資先に決定したのは、岐阜県は各務原に拠点を構える「結の舟(ゆいのふね)」。事業内容は若手川漁師による地域に開かれた実店舗の運営です。代表は、33歳の平工顕太郎(ひらく・けんたろう)さん。長良川の伝統漁法を継承する、唯一の若手川漁師です。現役世代で65歳以下はたった一人の担い手である彼が、なんとかして川文化の継承をしていかなければと奮起し、事業を起こしました。
 
 

<清流・長良川で、いま起こっていること>


 
平工さんが日々、漁をしている長良川をはじめとした岐阜県の清流は、古くから伝わる地域に固有の豊かな川文化と、多くの伝統工芸を育んできました。岐阜県の地域資源はまさに”清流”が支えている、とも言えます。2015年12月には「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定され、流域の住民の機運もますます高まっています。
 
しかしその一方で、長良川で漁業によって生計を立てられる現役世代の漁師は皆無、という厳しい状況。さらに伝統漁業になくてはならない「漁船」と「漁網」を生み出す舟大工と製網所は、流域にわずか一軒ずつ。加えて、人びとの川離れや魚離れも進んでいます。清流文化とともに育くまれてきた長良川の漁業は、まさに風前の灯火!
 

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結の舟代表の平工顕太郎さん

 
 
<代表平工さんと長良川の出会い>
 
大学で水産学を専攻し、卒業後は川遊び体験のインストラクターをしていた平工さんは、子どもたちの川離れと水難事故発生の関係や、地元の人ほど良質な鮎を食べたことがないという「川離れ」の現実を目の当たりにしました。また、良質な川魚が地元に流通しないことにも疑問を抱くように。一度は生活のために他業種に転向したものの、川文化に触れたあの感動が忘れられず、家族を説得して川漁師の道に進むことを決断しました。今はご家族の応援のもと、事業に取り組まれています。
 
 
<川のヒーロー現る!>
 
事業を始めて3年目を迎えた平工さんは、長良川のそばに拠点を構えることを決意します。思い描いたのは、若手川漁師がプロデュースした、新たな清流文化を発信する拠点。清流文化のブランドを向上させ、住民と川がもっと身近になることを目的とした場所です。検討の結果、水産研究所や水族館などの関連施設も近い各務原市役所近くの物件を、新拠点に選びました。具体的には、天然鮎の生鮮販売やお弁当の販売、魚食普及活動としての魚の捌き方講座や天然鮎の料理教室などのイベント開催、川遊びインストラクターの経験を生かした青少年向け環境教育や自然体験プログラムの提供などを、新拠点で行う予定です。長良川のヒーローの誕生です!
 

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船頭の風格

 
 
<momoの融資資金は新店舗開設に使われます!>
 
このたびmomoは「結の舟」へ、店舗運営の資金90万円を融資することを決定しました。融資期間は11ヶ月間。この90万円は、店舗の改修費用のほか、厨房機器や調理器具の導入にかかる費用や、市民参加型プログラムで使用する水槽などの機材購入費に充てられます。店舗のオープンは9月1日。長良川流域に住まう、たくさんの人びとの縁や希望を結ってこしらえた「結の舟」。いよいよ出航本番ですー!
 
結の舟のお店はこちら☆
住所:岐阜県各務原市那加桜町2-297(名鉄「各務原市役所前」駅から徒歩1分)
営業日時:不定
(〜11/30までの鮎漁の期間中は漁の合間、平工さんが店舗に居るときにだけ営業。
営業詳細は「結の舟facebookページ」にてご確認ください。)
 
(momoレンジャー まなみん)